「舞鶴の里づくり市民の集い」講演集

〜みんなで考えようわがふるさと〜

日時:平成元年5月20日()午後1時

場所:常陸太田市市民交流センター 大ホール

 

E「ひたちおおたの人づくり」大和田幸雄(東二町)

自分の順番が廻ってくるに従いまして顔がこわばって参ります。ライトを当ててお話するなんて言うのはカラオケの時ぐらいしかございません。10分間というわけでございますが、皆さん時間を超過するほどの熱の入ったお話でございますので、私で調整をしていきたいと思います。

調査によりますと、日本人の多くの人たちは中流意識を持っているようでございます。家庭にはクーラー、大型テレビ、マイカーと30年ぐらい前に今の日本の経済環境が予測できたでしょうか。わずか30年ぐらいで日本は世界一の経済大国となってしまったわけでございます。個人ごとでございますが、30数年まえに、私が車を持てるなどということは思っても見ませんでした。お金持ちの人たちの乗り物と思っておりました。ところが現在はどうでしょうか。車を持つのは当たり前のことになってしまったのです。先ほど経済大国になってしまったと申し上げましたが、なってしまったということは、後はいわゆる発展途上国、とくにNIES諸国からの追い上げがはじまるということでございます。とくに現在アメリカと日本は大変貿易摩擦を起こしておりますが、日本でも隣の韓国とはニット製品のダンピング問題で燃えたことは皆様ご存知のことと思います。すでにおきてしまっているんですね。今、日本も欧米諸国、とくにアメリカからはスーパー301条などというきつい条件を提示されております。この関係が今度は日本とNIES諸国との貿易摩擦となってくるわけでございます。

513日のNHKテレビでも、外国人労働者開国か鎖国かでもかなり白熱した議論が飛び交っておりましたが、日本は経済の面で矢面に立たされております。このまま、日本が経済大国でいられるのでしょうか。予測ですが、十数年後、必ず日本は今の状態ではいられないと思います。

さて、1極集中による大都市への流出。常陸太田には大企業はありませんが、この常陸太田ではよい仕事ができないのでしょうか。今子土、常陸太田も人を作らねばならないときにきているのです。

継続的にできる内容を仲間とともに考えてみました。いろいろなジャンルよりそれぞれリーダーとなる得る人を作っていくという考え方、常陸太田市民幹部候補生づくりと思っていただいても結構でございます。5年間の中期計画とし、まず、「常陸太田人材育成センター」。名称はいろいろあるでしょうが、こういうふうに作ります。メンバーは現在第一線で活躍している人または活躍した人で、アイデア豊富な人を主とし、行政側よりも参加していただきます。続いて市民幹部候補生募集の案内をし、あらゆるジャンルより、自分の職業を通じてどんなことをしたいのか、どう進みたいのか、どんな常陸太田にしたいのかどんなことでも結構ですから、希望を書き上げ、レポートを提出していただきます。十分に審査をした後、国内、国外のそれぞれの目的に応じた先進国へ派遣をいたします。例をあげれば、巨峰ぶどうの次のぶどうづくり、すなわち、流行の言葉で言いますと「ポスト巨峰」の技術取得のために、話は大きくなりますが、ぶどうの本場フランスへの派遣。工業でしたら自分の進んでいる、望んでいる、新しい技術取得のための大企業の研究室への派遣。商業の方でしたら新しい経営、流通の変化などを勉強したい場所へ、希望の先進地への派遣。市の職員の方でしたら、新しい行政とは何かと、必ず自分たちより大きく進んだまちがあるはずでございます。

すべて机上の勉強ではなく、先進地の皆さんと同じように頭と体を動かして実地の研修をしてくることが条件となります。ホテルから通うのではなくて、担当の方の家庭に入っての勉強となります。期間は2週間から1ケ月程度とし、それぞれ各自が何かを得て帰ってくると思いますので、初年度終了後、全員よりレポートの提出を得、大いにディスカッションをしていただきます。市民に対する発表の場を設ければ、より目的が達せられると思います。これで終わるのではなく、1期生は定期的に会合を持ち、その後の変化を話し合っていきます。

続いて2期、3期、4期、5期、と集まりを拡大していけば自動的に異業種交流となり、何かがうまれてくることと思います。初年度はできるだけ多くの若い人たちに勉強の場を設けるために50名程度、それよりも思いっきって100名程度でも面白いと思います。2年目は初年度の欠点を補っていきますので、よりよい2年目となっていくはずです。約5年間で300名ぐらいになると思いますが、あくまで、全員で定期的に会合を持つ。そうすれば自然に連帯意識を持つ集団ができあがります。ここであらゆるジャンルのリーダーが育ちます。それぞれの職業での活躍が見られるわけです。仕事が軌道に乗り、目標がしっかり固まれば、自分の範囲以外にもよいアイデアが浮かびます。浮かべばしめたものです。官民一体となった、やる気のある、新しい、強いグループができあがります。優秀な頭脳集団ができあがります。提言ができる大きなグループとなります。10年はかかるかも知れません。でも、わずか10年です。十数年後の日本の経済状態を思うとき、これは気の長い話でしょうか。

もっと具体的にお話できればよいのでしょうが、私の言いたい大筋はご理解いただけることと思います。「1億円」がこのように継続的に使われれば、生きたお金になることと思います。ものよりは人に使っていただければと考えます。

以上でございます。ありがとうございました。